シネ・マレーシア --マレーシア映画の現在--  CineMalaysia --Festival of Malaysian film, Tokyo, 2013--

ヤスミン・アフマド


Posted on 5月 21st, by cinemalaysia in 未分類.

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今回のこのシネ・マレーシアの作品ラインアップを見て、「マレーシア映画祭なのに、ヤスミン作品が入っていない」と思われた方も多いかもしれない。それほどまでに、マレーシア映画=ヤスミン監督という強いイメージが出来上がっているのは確かである。

シネ・マレーシアの副題は“マレーシア映画の現在”。今日のマレーシア映画界をきちんと反映したラインアップである。そしてそこには、ちゃんとヤスミンの足跡も見える。オープニングを飾る『Songlap』で主人公兄弟の弟役を見事に演じているのは、『ムクシン』で鮮烈なデビューを果たしたシャフィー・ナスウィ。いとこのオーディションにたまたま付いてきていたのをヤスミンに見初められた彼は、その後『タレンタイム』で役者としての成長を見せつけ、今や映画にドラマに引っ張りだこである。
そしてなんといっても『細い目/セペッ』他で日本の観客にもおなじみとなったシャリファ・アマニ。ヤスミン監督の秘蔵っ子として扱われていたため、監督逝去後女優を辞めてしまうのではないかとも噂されたこともあった。そんな彼女は今回、主演作そして自ら監督した作品を引き連れて、シネ・マレーシアに登場する。

ヤスミン監督が亡くなって1年ちょっと過ぎた頃に、アマニへのインタビューをお手伝いする機会があった。「もちろんものすごく落ち込んだけど、今はもう大丈夫。もう後ろは振り向かないって決めたの。私はこの道で生きていく。」そう語っていた彼女の凛とした姿が、今でも忘れられない。

text by 国際交流基金クアラルンプール日本文化センター 久貝京子





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