マレーシア映画には、鑑賞中にもう一つの楽しみがある。それは“ホー・ユーハンを探せ！”ゲームである。マレーシア新潮の代表格の一人であるユーハン監督であるが、実はヤスミン・アハマド監督の作品をはじめ、数々の作品に出演している。カメオ出演というよりは、それなりにセリフもあり、大事な役どころであったりもするのだが、スクリーンで彼を発見した時の私自身の驚きと喜び度合いが似ていることから、個人的には密かに彼のことを、“マレーシアのヒッチコック”と呼んでいる。

ヤスミン監督のTVCMにも多く出演しているが、私の一番のお気に入りは2007年に放映されたTV３のハリラヤ（断食明けの大祭）用の企業CM （http://www.youtube.com/watch?v=vtw9sjtPM_I）。この中で彼は、『ナッティー・プロフェッサー』のエディ・マーフィーばりに、マレー系のおばちゃんから赤ん坊にまで巧みに扮している。 もちろん今回のシネ・マレーシアでも、ユーハン監督は別の監督の作品に出演している。

ということで、さあ、あなたも一緒に楽しもう、“ホー・ユーハンを探せ！”。その衝撃のシーンに目を瞑らないように！

text by 国際交流基金クアラルンプール日本文化センター　久貝京子